リーダーシップを発揮する社員の具体的な行動8選
新入社員育成は、マインドセットから始める
新入社員研修といえば、大半の企業でビジネスマナーや報連相といった「ビジネスの現場において最低限必要な基礎スキル」の内容で実施されます。もちろん基本的なジネススキルの学習はとても大切ですが、それだけで現場に出る前の教育は十分なのでしょうか?
実際に新入社員が配属された後の現場の上司や先輩社員の声を聴くと、
「素直だけど言われたことしかやらない…」
「教えてもらうのを待っていて、自分から取りに来ない」
「叱るとすぐに委縮してしまう…」
というような、新入社員に対するお悩みをよく伺います。
これらの状況の背景には、実は社会人として入社はしたけれど、
「まだ、マインドセットができていない」ということがあります。
新入社員のマインドセットとは、簡単に言うと、
「学生から社会人への意識・あり方の切り替え」です。
つまり、「お金を払って教えてもらう立場=学生」から、「プロとして本気で仕事をして、結果を出し、報酬を得る立場=社会人」に意識やあり方を切り替えること。
この違いをいち早く理解し、切り替えることで、その後の成長スピードも変わっていきます。
「プロの基準」を身に付ける
では、どのようにマインドを切り替えてもらったらよいのでしょうか。
社会人になり仕事をして報酬を得るということは、つまり「プロフェッショナル」になるというこです。
プロフェッショナルになるためには、まず「プロの基準」を知ることが重要です。
では「プロの基準」はどう教えればいいのか?
例えばこんなケース、皆さんだったらどう対応しますか?
新入社員研修の中で行った商品知識についてのペーパーテスト。
テストの合格基準は95点。それなりの努力をしないと合格できません。
あなたは試験官としてテストの採点を行いました。
すると、1か所だけ回答内容は合っているのですが使用する漢字の間違いを
発見してしまいました。
その漢字のミスさえなければ、見事100点!で合格なのですが・・・。
この時、もし
「まぁ漢字1カ所ぐらいだったらいいか。内容は間違えていないのだから・・・。」
と思ったとしたら、それは「プロの基準」としてはどうなのでしょうか?
もし、それがお客様に渡す資料だったとしても、
「意味はわかるから、1か所くらい漢字が間違っていてもいい。」
とプロは考えるのでしょうか?
当然、答えは「NO!」のはずです。
その「プロの仕事の基準」で考えて、採点も当然「×」。迷わず不合格としてください
なぜならば、ここで社内テストだからと採点を甘くしてしまえば、テストを受けた新入社員は、「仕事ってこれくらいでも許されるもんなんだな」と思い、その感覚がその後の仕事の基準となり、本人の仕事の品質にも大きく影響してしまうからです。
仕事において「部品が一つ欠けても納品できない」ことと同じ基準で見れば、わかりやすいと思います。
これを見逃すと平気でお客様の会社名を間違え、
「ここの会社は、これぐらいやっとけば大丈夫なんだ。」と思われてしまいかねません。
勉強だから許している、社内研修だからOKということではなく、
「全てお客様の目の前でやっている仕事である」という置き換えを最初からすることで、プロ意識も高まっていきます。
具体的な業務の目標を持ち、結果をだしてもらう
もう一つ、マインドセットを早める効果的な方法があります。
それは、いち早く「具体的な業務の目標を持ち、それを達成する」機会を創ることです。
業務の具体的な分かりやすい目標を持ってもらい、自分の力でそれを達成するためのPDCAを回して、アウトプットとして結果を出してもらう。
この経験をどれだけ早くできるかで、マインドセットのスピードが変わります。
例えば、2022年から行っている弊社の新入社員研修の例をご紹介すると、
まず、新規営業に必要な商品知識や基本の営業スキルを約2週間でインプット、その後学んだことを実践で活用する機会として、約2か月間で「新規受注1件」の目標達成を目指す営業研修を行っています。
この研修では、
新入社員自身が教えてもらったこと・インプットしたことを、実際の目標達成に向けて使うことで、得た知識は机上のものではなく、血の通った実のあるものになります。
そして、目標達成の為に自ら試行錯誤し、自分の力で成し遂げること、その結果が仕事の成果であり、この貢献が自分の給与になるという体験は、社会人になり仕事をして報酬を得る「プロ」になるということに対する強い実感となります。
もし、いち早い即戦力化やマインドセットを求めている場合は、このような経験をいち早くさせることはとても効果的です。
ここまで、新入社員を迎える準備 Part1:マインドセット編についてお伝えをしました。
①「お金を払って教えてもらう立場」から「プロとして結果を出し、報酬を得る立場」に切り替える。
②まず「プロの基準」を理解させる
②「具体的な業務の目標を持ち、結果を出す」機会を創る
次回は、新入社員を迎える準備 Part2:目標設定編についてお伝えします。