2016.11.15 2024.09.01
  • マネジメント

明日からすぐに使える、ものすごく簡単な叱るためのスキル PART2

  • #コミュニケーション
  • #マネジメント
  • #上司
  • #叱る
  • #管理職
  • #荻野純子
  • #褒める
  • #部下

【目次】

あなたは上司として、部下に正しく叱ることができていますか?

多くの上司は、「ちゃんと叱ろうとは思うんだけれども、どうも感情的になってしまって、うまく叱れないことが多いんです…」と、頭を悩ませています。

そこで、今から、明日からすぐに使える、ものすごく簡単な叱るためのスキルをお伝えしたいと思います。明日から使えるものがほとんどなので、インプットして、インプットしたものをすぐに使ってみてください。

 

部下の言い分を聞きながら叱る

叱るときには、感情と理性の両方で納得を促す必要があります。「理屈では分かったが、何か反発を感じてしまう」と言わせるようでは、上手に叱ったことにはなりません。反発をさせずに素直な反省を促し、改善への努力をさせるには、部下の言い分を聴きながら、その上で叱るべき点を明確にして叱ることが必要です。

叱る時に、大切なのは、まずは「感情」です。感情で理解をしてもらわなくてはいけません。そして「理性」。この両方で理解をしてもらいます。理由を明確にして叱ることで、ある程度は理性の面では理解をしてもらえるのですが、部下は言い分を聞いてもらえないと、感情がついていかないんですね。すると部下は、「この上司は、プロセスを分かってくれているのか??」と思ってしまうんです。すると、感情ではついていくことができず、反発をしてしまうのです。

あとは、こういうこともあります。6割は自分の責任、だけど3割はAさんの責任で、1割は◯◯さんの責任でもある…なのに、なんで10割全部自分の責任みたいに叱られるんだ、という時もあるんです。そういう時は、納得できないですよね…さすがに。

たしかに6割は自分の責任だ。でも、AさんやBさんにも責任があるじゃないか、となると、気持ちがついていかないんですよね。これは分かりますよね。そうなると、改善のスピードが遅くなってしまいます。なので、部下の言い分はちゃんと聞いてあげた方がいいんですよ。

 

叱るあなた自身の言葉に説得力を持たせるために

もう一つ覚えておくべきことがあります。それは、あなたは、部下の行動が全部見えているとは限らないということです。部下の後ろを四六時中ずっとついているわけじゃありませんよね?  ということは、自分には見えてないものがあるかもしれないんです。その部下が、お客様からどんなことを言われてきたのか、知らないかもしれないし、そこに至るプロセスを知らないかもしれない。だから、見えていないかもしれないのに、こうだと決めつけて、叱りつけてしまうと、あなた自身の言葉に、説得力がなくなってしまうかもしれません。なので、上司であるあなたのためにも、部下を叱る時には、部下の言い分を聴いた方がいいです。

 

叱る時に、部下の言い分を聴かないと…

以前、私はこれが全然できていませんでした…これは悪い例ですが、部下を叱っている時に、何か相手が言いそうな雰囲気が出てくるわけですね。そういう雰囲気が出てきた時には、「言い訳無用!!(ピシャリ)」と言ってしまっていたんです(苦笑)

相当ひどかったと思います。これこそ鬼上司ですよね…そう言った瞬間、部下はもう黙るしかなくなってしまいます。なので、結果として全然行動が改善されないんです。すると部下の不満は溜まっていきます。だから、その気持ちを処理するのに時間がかかってしまって、「だから次どうするの?」と聞いても、「今はもうとてもそんなことを考えられる状態ではありません…」って言うんですよ。落ち込み過ぎて。もう何も考えられていないんです。これはNGです。

自分がいかにダメだったかを伝えていますけど、これでは部下は全然変わりません。なので、ちゃんと部下の言い分を聴きながら叱りましょう。

 

叱る時には1つのことだけに集中して叱ると効果的

そして、叱る時は、できれば1つの課題に集中しましょう。一度に複数の問題点を指摘されると、部下は頭や心が整理することができず、どのように行動を改めればよいか分からなくなってしまいます。当然のことですが、あることについて叱っている時に、思い出したように「そういえば、あれもこれも」という叱り方は厳禁です。例えば、私語が多いことを叱っている時に、机の上が乱雑なことや昨日の遅刻のことを叱るといったような、他のことを持ち出して叱るのは避けなければなりません。

いろんな事象があると思うんですけれど、この事象が1つの「いい加減である」「仕事でダラダラしている」ということに帰結するのであれば、その1個に絞って叱ってあげてください。なぜかというと、いろいろ言うと、部下は整理ができなくなってくるんですよ。で、全部だめだ、みたいな状態になっちゃうんです。

「あなたは大体、生活態度も良くないし、仕事だって連絡が遅いし、この資料だって全然まだ読めてないじゃない!」そんな風にたくさん言われてしまうと、どれが一番ダメなのかが分からなくなってしまうんですね。なので、できれば一つに絞ってあげましょう。

 

思い出し叱りは厳禁

あれもこれも思い出して叱る「思い出し叱り」も厳禁です。ご夫婦でいらっしゃる人は、夫婦喧嘩を思い出してもらえればいいと思いますが、夫婦喧嘩はよくこんな感じになるんじゃないかと思うんですね。「だいたい、あなたは今回の件だけじゃなくて、結婚前からそうだった。」とか、「こないだだって頼んだのにやってくれなかった、そもそも休みの日はいつも寝てばっかりだし、家事も手伝ってくれないし。」みたいに、何を叱られているかもう分からなくなってしまう。で、お互いに、なんで喧嘩になったのかが分からなくなってしまう。それで「もういい!」みたいな感じで、物別れになってしまう。そうならないようにしなくてはいけませんね。

これがあんまり行き過ぎてしまうと、人格の否定、ということにもなりかねません。なので、そうならないように気を付けてください。叱るべきことはできるだけ絞り込む。ただ、「遅刻はする」「お客様との連絡は忘れる」など、いろんな事象があっても、全てが「時間にルーズだ」という共通点に持っていけるのであれば、その一点に絞って叱ってあげればいいと思いますよ。

 

高い期待を持って叱る

最後にお伝えすることとしては、部下に対して高い期待を持って叱ってあげてください、ということです。叱り方をなんか間違えちゃったな…ということってあると思うんですけれども、これをきちんと伝えるだけで、割とリカバリーできたりします。あなたのことを、もっと期待しているから言ったんだよ、ということを、きちんと「口」にしてください。自分に期待されているということは、悪い気はしないんですね。「叱られているうちが華」とよく言われますが、期待されているからこそ叱られているんだよ、と、ちゃんと言ってあげてください。

で、「言わなくても分かっているはず」という上司の方がよくいらっしゃいますが、基本的に部下は分かってないです。なので、口にすることが大事です。期待されているから言われているんだと思ったら、奮起するんです。その方向に持っていってあげないと、部下の行動はなかなか改善しません。言葉にするのが大事です。言葉にするのはなかなか慣れていないと難しいかもしれませんが、言葉にして言ってあげてください。

いかがだったでしょうか?

部下が感情で納得するために、部下の言い分を聞きながら叱る。1つのことに集中して叱る。そして高い期待を持って叱る。意識すればすぐに行動できると思います。ぜひ、今日、部下を叱る時(?)に使ってみてください。

以上、荻野純子(おぎのじゅんこ)でした。

関連記事(Written by 荻野 純子)

明日からすぐに使える、ものすごく簡単な叱るためのスキル PART1

叱ると怒るの違いとは? イライラしてしまう原因を知り、上司として正しく叱る方法を学ぶ

仕事ができるビジネスマンのホウレンソウは先手必勝!ホウレンソウのスピードで成果を出すまでが早くなる。

メール返信スピード=あなたの評価。仕事ができる人は、メールの返信が早い。

新入社員を迎える準備 Part1:マインドセット編

新入社員を迎える準備 Part2:目標設定編

新入社員を迎える準備 Part3:PDCA編

 

スカウターロゴ

この記事が参考になったら、「シェア」をお願いします!

  • LINE
  • はてブ

なぜ、リーダーシップには多くの要素が必要なのか? 今、求められるリーダー像

なぜ、リーダーシップには多くの要素が必要なのか? 今、求められるリーダー像

この資料を見る

この記事を書いたコンサルタント

株式会社FCE (編集部)

株式会社FCE 人材育成コラム編集部です。
人材開発/研修を検討中の方、組織力の向上を目指し情報収集をしている方向けに有益なコンテンツを発信していけるようサイト運営をしております。

個別でのご相談も受付中!

人財活用、育成に関する課題をお申し付けください。最適なアプローチをお答えします。

『個別相談』を申し込む