リーダーシップを発揮する社員の具体的な行動8選
アクティブ・ラーニングとは
「アクティブ」という言葉から、積極性や自主性といったイメージが想像されますが、アクティブ・ラーニングはまさにそのような、自ら学びを実行する能動的な学習法です。
従来の一般的な学習法は、研修や教材など与えられたツールを使って学習するものが中心で、積極的に自分からアクションをするのはその中の一部に限られます。
しかし、アクティブ・ラーニングではツールなどを優先するのではなく、自ら課題に対して積極的にアクションを起こして答えを求めることが重視されます。
ケースメソッドを重視した積極的な学び
アクティブ・ラーニングとセットとして使われるものが、「ケースメソッド」と呼ばれるものです。
ケースメソッドは実際に起こった事例を課題として、それに対して解決法をディスカッションやワークを通じて求めていくという手法です。
単に知識を詰め込むだけでなく、問題解決能力やときにはリーダーシップを発揮していくものが、このケースメソッド、そしてアクティブ・ラーニングによる学びなのです。
アクティブ・ラーニングが求められる背景
なぜ今、このアクティブ・ラーニングが求められているのでしょうか。その理由を見てみましょう。
少子化などの社会的背景
まずアクティブ・ラーニングが求められる理由の一つが、少子化などの社会的背景の変化によるものです。
従来の産業構造としては、大量生産・大量消費に対応した産業が求められていましたが、現在では少子化により国内の市場規模は縮小してしまっています。
そうなるとグローバルな視線でビジネスを展開しないと生き残れないのが現実となり、従来の同じことをし続けるという手法では、生き残りをかけたビジネスができないようになりました。
常に新しい課題に対応し、解決していく人材が必要となり、そのような人材を育てるためには、アクティブ・ラーニングが適切なのです。
ものづくりからIT産業へのシフト
日本全体の基幹となる産業構造も従来の「ものづくり」から、大きな転換期を迎えました。
もちろんものづくりがなくなるというわけではありませんが、産業としては製造業主体の社会から、ITを駆使した産業の重要度が高まっています。
大量生産が目的の製造業では、技術やノウハウの共有や継承が重要ですから、従来型の学習方法が大切でした。しかし、これからの時代は新しいものを創造していくためのアクティブ・ラーニングによる学習が必要となるのです。
アクティブ・ラーニングの実施状況について
現状、このアクティブ・ラーニングは、どのようなところで、どのように実施されているのでしょうか。
学校教育で積極的に取り入れられている
アクティブ・ラーニングをいち早く取り入れているところが、教育現場です。
例えば高校や大学では、すでにアクティブ・ラーニング型の学習法が取り入れられていて、その実施状況は90%を超えているといわれています。
このようにアクティブ・ラーニングが、すでに教育現場でいち早く取り入れられているのには理由があります。
それは、文部科学省によるアクティブ・ラーニング推進のテコ入れがなされているからです。
これは先ほどご説明したような理由により、これからの社会がより多様化し、それに対応できる自主的な思考ができる資質や能力を持つ人材を育てるための方針といえるでしょう。
アクティブ・ラーニングジェネレーションを受け入れる準備を
主体的、そして対話的に深く学ぶことで、新しい時代に求められる資質を身に付けること、そして、学習過程の質的改善を目的にアクティブ・ラーニングが推奨されています。もちろんその目的は、将来的に日本の産業を底上げをすることを目的としています。
つまり、これからの世代のビジネスパーソンは、そもそもアクティブ・ラーニングで学んだ世代が社会に出てくることになり、企業としてもその準備をしておかなければならないのです。
アクティブ・ラーニングの学習方法と運営方法
従来型の教育から一歩進んだアクティブ・ラーニングですが、実際に学習カリキュラムを作り、研修を実施するためには、新しい発想と方法が必要となります。
では、アクティブ・ラーニング研修を実際に行うためには、どのような運営方法を実施すればよいのでしょうか。
主体的な学びが重要
座学などの従来型研修は、受講生は講師やビデオの話を聞けば終了できるタイプのものがほとんどでした。
しかしアクティブ・ラーニングでは「待ち」の姿勢では何の効果も得られないため、受講生の主体的な学びの姿勢が必要となります。
アクティブ・ラーニングの成否の鍵を握るものがこの主体性で、前のめりの姿勢で受講生が参加できるような内容と、それをサポートできるカリキュラムが必要です。
ケースメソッドを利用する
主体的に研修に参加するための研修コンテンツとは具体的にどのようなものなのでしょうか。
ひとつは、前述の「ケースメソッド」を活用する方法です。
改めて解説しますと、ケースメソッドとは実際に起きた実例をケースとして、その問題の分析やソリューションをグループワークで行うものです。
ケースメソッドの進行は、まずは受講生がそれぞれの考えをまとめ、それからグループディスカッションで論議する。最終的にはクラスで発表しあって、講師がそれをまとめていくという流れになります。
このようなややレベルの高い教育は新人向けというよりも、管理者レベルの研修向けといえます。
フィールドリサーチで現場を体験
フィールドリサーチは、実際にビジネスの現場に出て調査するという形の研修です。
実践的に現場を見て、それに対しての調査と検証をすることで、実務的に学びを得られるという点がその特徴となります。
まだ、実際の現場を見る前の新人や、現場に出ない管理職などに実施するアクティブ・ラーニングとして、このフィールドリサーチは意味のある教育方法となります。
アクティブ・ラーニングの導入事例
アクティブ・ラーニングはすでに企業研修にも取り入れられています。それがどのような形で実際に行われているのか、興味があるところですよね。
実際にどのように導入されているのかの事例をチェックして、自社の研修に取り入れられるのか検討してみましょう。
高校・大学での導入
アクティブ・ラーニングはまず、大学や高校といった教育現場で導入されています。
例えば関西大学では学生の「考動力」を育成するために、教員や職員、そして学生による共同型のプロジェクトを実施。
能動的学習モデルとしてラーニングアシスタントを活用して、受講生がスタッフとして学生に伝承する形で活用しています。
その他に芝浦工業大学でも4年間を通じたアクティブ・ラーニング科目が導入されています。
一般企業での導入
ソニー銀行では入社後2ヶ月間の研修でアクティブ・ラーニングを導入。データサイエンスに関する5日間のブートキャンプを始め、座学の時点でもアクティブ・ラーニングを導入し、講座の最後に二人一組で学んだことを検証するなどの工夫をしています。
富士通株式会社では、その人は何ができるエンジニアなのかを認定するために、アクティブ・ラーニングが利用されています。研修の中で実際に希望する科目を疑似体験できるシステムで事案に対応し、実践的に向いている業務を決めていきます。
マーケティング会社の株式会社インデックス・アイでは、アクティブ・ラーニングを「デザイン思考ワークショップ」という形で取り入れています。実際にフィールドワークを実施して、座学で学んだ内容を現場で確認するというタイプのアクティブ・ラーニングです。学んだデザイン思考というスキルを使ってみるワークショップによって、実践的なテクニックを学んでいます。
まとめ
アクティブ・ラーニングは、座学やビデオ研修から一歩進んだ、自ら試行して問題解決や新しい商品を生み出せるような考え方やスキルを身に付けるための教育です。
これからの時代は、このような思考でビジネスに向き合う必要があり、従来型の研修から一歩先に進んだ企業研修が当然となるはずです。
もちろん、従来型の教育を否定するわけではありません。しかし、このような新しい形での教育を今から検討し導入することで、企業としてのパワーが一段レベルアップするのではないでしょうか。
参考:
https://www.kansai-u.ac.jp/ap/outline/concrete.html
https://www.shibaura-it.ac.jp/extra/acceleration_program/
リクルートマーケティングパートナーズ調査 「アクティブラーニング型授業」
9割以上の高校で実施 http://souken.shingakunet.com/research/2016shinro2.pdf>
アクティブ・ラーニングとは?文部科学省が推進する理由と3つのポイント | キャリア教育ラhttps://career-ed-lab.mynavi.jp/career-column/69/
アクティブラーニングとは?企業での導入事例3選 – オンラインテストマガジン https://wisdombase.share-wis.com/blog/entry/active-learning-enterprise-introduction-example