リーダーシップを発揮する社員の具体的な行動8選
とあるバスでの出来事
先日、移動のためにバスに乗っていた時、こんな出来事に遭遇しました。
ちょうど席が埋まるくらいのそこまで混んでいない昼時のバスでのこと。
小さなお子さんを連れた母親と思しき女性。
子どもがまぁまぁ大きな声で騒いでいて、その母親と思しき女性が何度か注意するも、一向に収まる様子がない、そんな光景です。
しばらく時間が経過した時、その母親と思しき女性が、声のトーンをあげてこう言ったんです。
「もう!静かにしないと、運転手さんに怒られるよ!」
よく見かけるような光景のように感じますが…
その後起きたことに対して、私は「そりゃそうだ」と心の中で妙に納得してしまいました。
運転手さんの一言
そのやり取りが聞こえていたのか、運転手さんは社内マイクをオンにして
「私は怒りませんよ」
と一言アナウンスしたのです。
私はその様子を目の当たりにして、「そりゃそうだ」と思うのと同時に、
一連の出来事から、幾つかの「学び」、正確には「思考」を得ることができたと思っています。
その光景から学んだこと
幾つか考えたことがあるのですが、焦点を絞ってお伝えしたいので、1つだけ、ここに記させていただきます。
それは、「他人に叱られるからやめなさい」という伝え方についてです。
別にそれがいいとかよくないとか、そういうことではなくて、相手を叱るのって難しいなぁ・・・と思いました。
誰かを叱ったり、注意したり、諭したりする時、自分の場合は、結構勇気がいるし、身構えてしまいます。
「果たして自分自身はどうなんだろうか」とか、
「どうすれば誤解なく伝わるだろうか」とか、
「このタイミングで伝えることが本当に的確だろうか」とか。
そうやって悩んで考えて伝えるから、決して伝え方はうまくなかったとしても、心が通じるというか、理解してくれたと思えることもありました。
でも、
「運転手さんに叱られる」という伝え方は、何となくですが、上に記載したようなことをすべて放棄しているような…
自分自身が叱るということに対する責任を負うことなく、相手にだけ変化を求めているような気がしてしまうんです。
繰り返しになりますが、いいとかよくないとかではなく、自分自身の経験から、そう思うんです。
(もちろん、今回のように、叱る相手の年齢や成長によっては、「言っても聞かない」から、別の手段をとることもあると思います。)
相手のためになる機会
私は過去に親や上司にたくさん叱られて育ってきました。
間違いなく共通しているのは、その後の私の成長や変化に対して、全員が責任を持ってくれたこと。
だから変わらなきゃと思えるし、努力しなきゃとも思えました。
叱る目的の一つは、「毎回言われないと行動が変わらない」状態から、いつか自分だけで行動を変えることができるようになる“きっかけづくり”なのではないかと思うのです。
それは、たとえ叱る側が一時的に嫌われたとしても・・・。
だからこそ、叱るという「相手のためになる機会」を、「たまたまその場に居合わせた運転手さん」に委ねるのはもったいないというか、難しいなぁと思ったわけです。
とはいえ、自分自身も誰かに厳しく伝えなくてはいけないときに、
「上司に怒られるよ」とか
「〇〇先輩から叱られるからやめときな」
と、何気なしに言ってしまっていることもあったなぁと思い返して、もったいないことをしてきたのか、と内省していました。
ちなみに、ある幼稚園の先生から聞いた話なのですが、子どもに対して「▲▲しないと、お巡りさんに叱られるよ」という言い方も良くないそうなんです。
なぜならば、その子が大人になったとき、お巡りさんは「恐れるべき対象」として認識されてしまっているので、いざというときに助けを求めることができなくなる・・・そうです。
これもまた、難しい話ですよね。
叱る、ために
少し整理をすると、
・叱る目的から考えると、叱る相手にしっかりと向き合って自分自身が伝えることの大事さ
(だからこその難しさ、とも言えます)
・叱り方を間違えると、将来の判断にも影響を与えかねないということ
でしょうか。
バスに揺られながら、そんなことを考えていました。
『Smart Boarding』で実施している「オンライントレーニング」には、「叱る」に集中したトレーニングも用意しています。
興味のある方は、参加してみてくださいね。
皆さんの「働くをもっとおもしろくする」に少しでもお役立ちできれば嬉しいです。
以上、トレーニング・カンパニーの平井でした。