2023.02.10 2024.11.19
  • マネジメント

新入社員研修を実施する目的とは?身につけるべき5つの事柄を徹底解説!

新入社員研修とは、新たに入社した社員を対象に入社にあたっての基本的な心構えやビジネスマナー、スキルやノウハウを習得させることを目的とした研修のことです。
新入社員というと、社会人になりたての新卒社員を思い浮かべるかもしれません。しかし、新入社員研修は、中途採用によって入社してきた社員に対して行われることもあります。中途採用者の場合、前職などで既に社会人としての経験や実績があるため、具体的な研修内容としては自社に対する理解やスキルアップがメインで行われることが一般的です。
ここでは、新入社員研修の目的、ポイント等をご紹介致します。

【目次】

新入社員研修とは

新入社員研修とは、新たに入社した社員を対象に入社にあたっての基本的な心構えやビジネスマナー、スキルやノウハウを習得させることを目的とした研修のことです。

新入社員というと、社会人になりたての新卒社員を思い浮かべるかもしれません。しかし、新入社員研修は、中途採用によって入社してきた社員に対して行われることもあります。中途採用者の場合、前職などで既に社会人としての経験や実績があるため、具体的な研修内容としては自社に対する理解やスキルアップがメインで行われることが一般的です。

「教育研究費用の実態調査」というデータでは、96%近くの企業が「新入社員研修を実施している」と解答しており、新入社員研修が社員教育として非常にメジャーな方策であることがわかります。その一方で、近年は新型コロナウイルスの影響により、新入社員研修を中止したと解答するケースも見受けられました。この対応策として、オンライン上で新入社員研修を行う方法がとられるようになり、社員が自宅にいても研修を受けられるシステムを構築する企業も増加しています。

なお、研修の主なスタイルとしては、学校のように講義形式で進行するもののほか、グループワークやロールプレイング形式で行われるものもあります。グループワークであれば早いうちから社員間での連帯感が生まれやすくなりますし、ロールプレイングは具体的なシチュエーション設定のなか、実戦的な内容で研修することができるので、スキルの活用方法を覚えやすくなるというメリットがあります。

参考:2021年度 教育研修費用の実態調査|産労総合研究所

 

新入社員研修の目的

新入社員研修では、社会人に必要なスキルやマナーに加え、社員が共通の目的を持てるよう企業の理解を深めることも重要です。ここでは、新入社員研修を行う主な目的について解説します。

 

【目的】
(1)企業への理解を深める
(2)社会人としての意識改革
(3)ビジネスマナーの習得
(4)基礎的なビジネススキルの習得
(5)コミュニケーションスキルの習得

 

【目的1】企業への理解を深める

新入社員研修の目的の一つは、入社した企業に対して改めて理解を深めてもらうことです。新入社員も就職活動の段階で求人票やWebサイトなどから企業の特性やビジョンなどの情報を頭には入れています。しかし誰もがアクセスできる媒体から得られる情報には限界があります。

特に「企業の使命や理念」は、それぞれの企業の存在意義であり、企業文化の土台となっているもので、今後の企業経営の軸でもあります。

新入社員にとって「企業の使命や理念」を学ぶことは、例えば企業を一つの船と考えるなら、自分の乗った船が何を目指しているのか?どこに向かっているのか?を理解するのと同じです。社員一同が同じビジョンの方向に進んでいくためにも、まさに入社のタイミングで学び、理解を深めてもらうべき重要な内容と言えます。

 

【目的2】社会人としての意識改革

学生と社会人との大きな違いは、インプットの立場からアウトプットの立場へと転換するという点です。学生時代にアルバイトやインターンなどで就業経験がある人もいるかもしれません。しかし、基本的には学生は「サービスを受け取る側」の立場だったのではないでしょうか。そのため、社会人として働くにあたって、「価値やサービスを提供する立場」に転換しているという意識改革を進めることは、学生時代とのギャップを徐々に埋めるプロセスになるのです。

 

【目的3】ビジネスマナーの習得

ビジネスマナーの習得は、主に社会人経験のない新卒社員向けの内容です。職種や企業にかかわらず、様々な取引先や幅広い年齢層の顧客と関わる上で、円滑にコミュニケーションを取り信頼関係を築くために必須の知識・スキルとなります。

代表的なビジネスマナーの内容としては、名刺交換の方法や座席の順番、言葉遣い、身だしなみなどが挙げられます。こうした内容は学生時代に必要とされなかったケースが大半でしょう。しかし社会人になると、取引先や顧客などとのやりとりで失礼のないように対応しなければなりません。そのため、ビジネスマナーをきちんと習得し日頃から意識しておくことが大切です。

 

【目的4】基礎的なビジネススキルの習得

「報・連・相」や「電話応対」「指示の受け方」といった基本的な仕事のやり方における効果的で効率的な手法を学習することで、「どう動くのが正しいのか」「なぜできたのか、もしくはなぜできなかったのか」を自身で考え、行動する姿勢を育てます。

こういった基礎を習得させる段階で注意したいのは、上司世代の「これくらい当たり前」という認識をそのまま反映させてはいけないということです。

世代間が大きく離れると育った環境も違っているため、「固定電話を使ったことがない」「コピーの仕方がわからない」といったように、上司世代では知っていることが当たり前とされていたことを知らない、ということもあります。若者世代の価値観を反映させたカリキュラムづくりを行う必要があります。

 

【目的5】コミュニケーションスキルの習得

コミュニケーション力を強化することは、「円滑な取引および接客」「社内間における報連相の実施」「社内外でのスムーズな人間関係の構築」につながります。そのため、新入社員研修でグループワークやディスカッションの場を設けるなど、「対面でのコミュニケーション」機会を作り、場数を踏ませることも効果的です。

近年においては、SNSやネットワークの普及によってデジタル上での気軽なやりとりに慣れてしまい、若手世代が仕事上での対面のコミュニケーションや敬語の使い方、文書作成などに苦戦するケースをよく聞きます。新入社員研修の中で場数を踏むことで、実務を始めた時に困らないようにする効果があります。

 

新入社員研修の研修内容を決めるポイント

効果的に新入社員研修を成功させるために、どのような点に注意して研修内容を作成すると良いのでしょうか。ここではカリキュラムを作成する上でのポイントを4つ紹介します。

 

【Point】
(1)目指すべき新入社員の人物像を決定する
(2)優先順位を決定する
(3)アウトプットや実践の機会を設ける
(4)予算や期間の設定

 

 目指すべき新入社員の人物像を決定する

まずは、研修終了段階で新入社員がどのような人物になっていて欲しいのか、というイメージを具体的に固めることが重要です。まったく経験のない段階から、新人として問題なく業務を遂行できるレベルはどの程度かを推測し、現場の意見を参考にしながら定めるようにしましょう。求められる人物像というのは、企業の経営状況や規模、業務内容の更新などによって変化する場合もあります。そのため、毎年採用しているからといって常に一定にするのではなく、定期的に刷新することをおすすめします。

 

 優先順位を決定する

特に、新卒採用の社員を対象にした研修では、覚えて欲しい内容が次々に思い浮かぶでしょう。しかし、その内容をすべて研修の段階で覚えさせようとすると、新入社員側もつらい思いをしてしまいます。急いで研修を行うあまりスキルの習熟がうまくいかなかった、という結果にならないよう、何から覚えてほしいのかを優先順位付けし、内容を決定させましょう。

 

 アウトプットや実践の機会を設ける

研修だからといってひたすら技術や知識を伝えるだけの内容では、実際に新入社員が理解できたのか、そして実際の業務で応用できるのか、ということは把握できません。

「理解できているのか?」「理解できている事を行うことができるか、?」を確認する為に新入社員がインプットした内容をアウトプットする機会を研修の中に組み込みましょう。
アウトプットの方法には、ロールプレイングやプレゼンテーションなど、様々ありますが、実務での活用シーンに近いアウトプット手段を選択すると効果的です。

 

 予算や期間の設定

研修にかける予算は、すべて自社で行うか、場所だけを社外に借りるのか、それともカリキュラム制作からすべて外部委託をするのか、といった選択肢によって大きく異なります。また、研修を行う期間でも左右されるでしょう。研修内容を詰め込み過ぎるのはマイナスになりますが、習得内容が多いからこそ、時間をかけて繰り返し学ぶ機会を作ることで、着実な習得を狙う方法もあります。

ただし、期間を長く設けた場合は、その分費用がかさむのはもちろんですが、新入社員側の緊張感も下がり集中力がなくなってくる可能性があります。その為、研修の効果を下げない為にも、受講する側が能動的にアクションを起こせる、集中力を保てる研修づくりを徹底する工夫が必要です。

 

新入社員研修で身につけるべき5つの内容

前述の通り、新入社員研修には5つの目的があります。ここでは、目的別に新入社員研修にて習得したい、カリキュラムに入れ込むべきスキルについて詳しく説明します。

 

「目的1 企業への理解を深める」為に必要な知識とスキル

企業への理解では、企業の目的や目標を共通認識できるよう、以下2つの知識を身に付けてもらいましょう。

 

経営方針、経営理念、行動指針への理解
企業運営における根幹の考え方や価値観であり、企業活動によって何を目指しているのか、社会においてどのような存在になりたいのか、といった内容を可視化します。企業に所属する意義が明確となり、企業活動へのモチベーションや所属意識の向上を狙えます。

2,組織内部に対する知識
組織特有のルールやノウハウの共有に加え、自身が配属される部門だけでなく、他部門との関係性や組織の全体像も把握しましょう。基本的には講義形式が主流ですが、マニュアルを動画形式で作成するといった工夫をしている企業もあります。

 

 

「目的2 社会人としての意識改革」の為に必要な知識とスキル

「意識改革」で必要なことは「学生→社会人」のマインドセットです。
その為には「社会人として自覚を持つことはどういうことか」「責任をもって働くとはどういうことか」が腑に落ちた状態にすることが必要です。その為にも以下2つの知識とスキルを身に付けてもらいましょう。

 

1,コンプライアンスや規則遵守の理解と徹底

コンプライアンスや規則の遵守という面で、社員一人ひとりに責任があることを伝える必要があります。特に、情報漏れをはじめとしたコンプライアンスに関するミスは「うっかりしてしまった」では済まされません。最悪の場合企業全体の信用を落とす結果にもつながるため、入念に周知を行うことが重要です。

2,目的目標達成の為のPDCAサイクルの回し方

社会人として責任を持って働くためには、仕事の目的を理解し明確な目標を設定できる力、目標達成の為にとるべき具体的な行動を設計する力、そして、その行動の結果を振り返り課題抽出する力、課題解決の方策を考え、行動を変革する力が必要です。つまり、目的・目標達成の為にPDCAサイクルを回す力です。

 

 

 「目的3 ビジネスマナーの習得」の為に必要な知識とスキル

ビジネスマナーは、世代や業界業種の違いを越えてスムーズなコミュニケーションを取る為の共通言語と言われています。特に下記の2点は新入社員研修で完全に習得してもらいましょう。

 

1,身だしなみ・立ち居振る舞い・挨拶

第一印象で得られたイメージは印象に残りやすいため、その後の評価にも大きく影響するといわれています。業界や職種によって適切な服装や求められるイメージ、印象などは異なりますが、共通しているのは「清潔感」「親しみやすさ」「信頼感」を得られる印象が重要です。その場にふさわしい、どのような年代の方からも好感を持ってもらえるようにする為には、身だしなみ・立ち居振る舞い・挨拶に関する基本のマナーの知識とその体現が必要になります。

2,敬語

対面のコミュニケーションでも、電話や文書・メールのコミュニケーションにおいても
共通して必要になるのが「敬語」の知識と実践力です。学生時代は同世代との人間関係が主体で、更にSNSなどによるカジュアルなコミュニケーションが多くなっていることもあって、「敬語」は新入社員が最も苦手とするテーマです。知識としてインプットすることはもちろんですが、仕事上ですぐに使えるように、ロールプレイングなどでトレーニングすることが効果的です。

 

 

 

 「目的4 基礎的なビジネススキルの習得」の為に必要な知識とスキル

効果的で効率的な仕事の進め方をできるようにする為にも、基本のビジネススキルを身に付けてもらう必要があります。特に以下の2点は新人研修に盛り込んでおきましょう。

 

1,報連相と指示の受け方

仕事は一人で完結できるものではなく、多くの人と関わりながら進めていきます。
その際、効果的・効率的に仕事を進める為に必要なのが「報告」「連絡」「相談」そして「指示の受け方」です。
これら4つの点における基本的な考え方・方法を理解し、実行することができれば、現場に配属された後もスムーズに合流していくことが可能になります。

2,基本のPCスキルと基幹ツールの利用法

ビジネスの場面で利用されることの多い、ワードやエクセル、パワーポイントといったビジネスソフトウェアの基本レベルの習得、企業で導入されている連絡ツール、基幹ツールといったシステムの利用方法の習得も社員それぞれに求められるビジネススキルの一つです。
仕事のスタートで躓かないようにする為にも、新入社員研修で身に付けておく必要があります。

 

 

「目的5 コミュニケーションスキルの習得」の為に必要な知識とスキル

コミュニケーション力は社内外問わず、スムーズに仕事を進めていく上で必要不可欠です。
特に以下2点の力を身に付けてもらいましょう。

 

1,聴く力

コミュニケーションスキルというと、どうしても「話す力」を真っ先にイメージしてしまいますが、コミュニケーションとは話す側と聞く側における双方のキャッチボールがうまくいくことで初めて成立するものです。そのため、要点を立ててアウトプットする話す力も重要ですが、相手の発した言葉を適切に理解し、その言葉を発した意図を読み取る「聴く力」を養うことも必要です。

2,電話応対スキル

メールやSNSでのやり取りが当たり前になった現在でも、ビジネスにおいて「電話」を使ったコミュニケーションはなくなっていません。その背景には、電話ならではの便利さや良さがあるからですが、新入社員にとって電話は「最も苦手なコミュニケーションツール」と言われています。
上司世代では当たり前のように身に付いていた「電話応対の常識」も新入社員にとっては、「知らないこと」であり「苦手なこと」であるという認識を持って、新入社員研修では社内にある電話の操作方法から基本の応対まで、知識はもちろんですが、ロールプレイングを通じて十分に練習し、現場で困らないよう習得してもらいましょう。

 

FCEトレーニング・カンパニーの新入社員研修とは

弊社の、オープン型やインハウス型で行っている「新入社員研修Change」は、表面上の知識やスキルを身に付けるだけでなく、ビジネスパーソンとして求められる在り方、考え方を醸成するプログラムを取り入れています。
また、実際に“できるようになるまで繰り返し練習する”という、アウトプットに特化した研修です。 実際の現場で活かすことを想定したレッスンで、学んだ事を随時アウトプットする事で、受講者が自分自身の強みや課題を発見することができます。
「新入社員研修Change」では、2日間チーム対抗戦のプログラムになっています。 それぞれ性格や経験が異なるメンバーとチームを組み、共にディスカッションやロールプレイングを繰り返します。 チームで掲げる目標達成に向かってお互いに関わり合う中で、ビジネスパーソンに求められる「主体性」「積極性」を発揮し、身につける研修です。
特にオープン型の場合は、他社の初対面の方とチームを組むので、ビジネスの現場における他社の方とのコミュニケーションを学べるだけでなく、自社内ではなかなか得られないような気づきや考え方を得ることができます。

 

弊社オリジナル新入社員研修で自立したビジネスパーソンとしての土台づくりができる

 

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株式会社FCE (編集部)

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