2021.04.15 2023.08.09
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組織文化とは?良い組織風土を持った会社に共通する5つの要素

組織文化とは、組織の構成員の間で共有されている信念や価値観のことです。

組織文化が浸透すると、企業のイメージが形成されることや、組織文化に共感した人材が多く集まり、長期的に会社に貢献してくれるなどのメリットがあります。

この記事では、組織文化を浸透させるメリットやデメリット、組織文化に必要な要素について解説します。

【目次】

 

組織文化とは?

そもそも組織文化とは何でしょうか。この章では、組織文化の定義や社風との違い、組織文化の重要性について解説します。

組織文化とは?

組織文化とは、経営学用語の1つで、経営されている組織において構成員の間で共有されている行動原理や思考様式のことを指します。

組織文化の活用により、組織に一体感が出ることや、人材の定着が期待できます。

なぜなら、組織文化があると会社の目指す方向性がわかりやすく、その方向性に共感した人材が集まりやすいためです。

組織文化はフレームワークによって家族文化、階層文化、イノベーション文化、マーケット文化の4つに分類されます。以下、4つの組織文化の特徴について説明します。

◆家族文化

家族文化とは、和気あいあいとした環境でお互いを尊重しながらチームワークを高めていく組織文化で、協働的な思考が特徴です。個性を尊重しチームワークが重視されるため、社員の仲が良好です。

デメリットとしては、他人任せになる場合があること、ある1人が頑張ってもチームが評価されるため、意欲の高い人が離職することがあります。

◆階層文化

階層文化とは、秩序を重んじた環境で堅実に仕事に取り組みながら、安定した連続性を維持していく組織文化で、役所などに多い文化です。

社員同士の連帯感はありますが、大きなことにチャレンジする環境ではないため、自身の成長が大事な人には向かない場合があります。

◆イノベーション文化

イノベーション文化とは、開放的な雰囲気の中で、チャンスを求めて変化に対応していく組織文化です。チャレンジする機会が多いため、起業家精神のある人に向いている組織です。

技術が求められる職場に多い文化のため、好きなことを仕事にしている人材が多く集まります。

◆マーケット文化

マーケット文化は、競争的な思考を持っている文化で、目標に向かって迅速に突き進んでいく特徴があります。

成果を出すことに重きが置かれるため、個人主義になりやすく、チームワークが形成されにくいこともあります。厳しい環境で自分を高めていきたい人に向いている組織文化です。

組織風土との違い

組織風土は、例えば経営理念や人事評価制度など、企業の内部でつくられ、組織や従業員間の共通認識であるルールや規則のことを指します。組織風土は、会社のこれまでの伝統や取り組みからつくられたもののため、簡単に変えることが難しいものです。

一方で、組織文化は企業と従業員が共有する信念や価値観のため、経営者が市場の変化や競合の状況を考えて変わっていく可能性があります。

社風との違い

組織文化と社風も似ている言葉ですが、意味は異なります。

社風とは、その会社の従業員が感じる会社の雰囲気や特徴のことです。例えば、風通しが良い、体育会系、お客様第一などが挙げられます。

社風は組織文化や組織風土よりも曖昧ですが、社風が明確であると、人材採用の際に候補者が社風に合うのか合わないのかの判断が可能となり、ミスマッチを防ぎます。

組織文化の重要性とは

組織文化は、経営陣から一般社員まで、仕事の仕方に影響を与えるものです。組織文化が明確であると従業員は会社の方向性を理解し、安心と信頼のもと、会社に貢献できます。

自社の商品やサービスの方向性においても、組織文化は重要です。

例えば、自社にイノベーション文化があると、今までにないユニークなアイデアが出やすくなりますし、家族文化があると、チームみんなが納得したアイデアが多くなるでしょう。

組織文化を会社づくりに活用するメリット

前章では、組織文化の分類や重要性について述べました。この章では、組織文化を活用するメリットについて解説します。

組織として一体感を持てる

組織文化があると、会社が目指す方向性やそれに伴う行動が明確なため、組織としての一体感が生まれます。

規模の大きい会社はそれだけ人数が多いため、会社としての方向性が定まらないまま結束力がなくなることもありますが、明確な組織文化があることで、社員が皆同じ方向を目指して進むことができます。

自発的に行動できる社員が増える

会社の組織文化が明確であると、社員は会社のために何ができるかを常に考え、自発的に行動するようになります。

例えば、チームワークを重視する組織文化であれば、チームみんなのために何ができるか、チームを良くするためにどうすればいいかなどを、自ら考え実行に移します。自発的な行動はモチベーションにつながるため、社員が仕事のやりがいを感じやすくなります。

意思決定スピードが速くなる

例えば、仕事を進めていくうえで意見が分かれたときやトラブルが起きたときに、立ち戻る指標となるのが組織文化です。組織文化にふさわしい意思決定や課題解決ができると、仕事上の意思決定スピードが速くなります。

採用力や人材定着率が向上する

組織文化に適応できる人材は会社へのロイヤリティが高く、不満が少ないため離職率が低くなります。

人材採用の際も、組織文化が明確であれば、応募者側は自分がその組織文化を受け入れられるかどうか、採用側は応募者が自社の組織文化に合うかどうかを判断できるため、お互いのミスマッチを防ぐことができるでしょう。

企業イメージが明確になる

企業イメージとは、顧客や消費者が企業に持つイメージのことですが、組織文化が定着すると企業イメージがわかりやすくなります。

例えば「価格よりも品質を重視」という組織文化であれば、社員だけでなく一般の消費者にも企業が掲げている方向性が伝わるでしょう。

企業イメージに共感した消費者は、企業のファンになる可能性が高くなります。

 

 

組織文化を会社づくりに活用するデメリット

組織文化にメリットがあることを理解いただけたかと思いますが、一方でデメリットもあります。この章では、組織文化の活用によるデメリットについて解説します。

新しい発想が生まれにくい

組織文化に共感している社員ばかり集まると、思考や行動パターンが似ている場合が多いため、新しい発想が生まれにくくなるデメリットがあります。

人材採用の際は、組織文化への適応性を見ることも大事ですが、新しい発想を生み出す力があるかどうかも採用の判断基準にするといいでしょう。

排他性が高まり、組織に対する客観視が難しくなる

組織文化の独自性が強くなると排他性が高くなり、組織文化に馴染めなくなった社員が退職し、転職者が入社しにくくなるというデメリットがあります。

組織文化の独自性が強くなりすぎないよう、常に客観的な視点を持つことが大切です。

良い組織文化に必要な5つの要素

ここまでの記事をお読みいただいて、組織文化に興味を持った方もいることでしょう。この章では、良い組織文化に必要な要素について解説します。

創業者のあり方

創業者の行動や信念は、組織文化に必要な要素の1つです。

創業者がどんな思いで会社を創設したか、創設から現在までにどんな歴史があったか、そしてどのように会社を経営しているか等が社員に受け継がれ、組織文化がつくられます。

リーダーのあり方

組織文化の浸透には、リーダーの行動も大事な要素となります。

入社した社員は自分のリーダーから会社で必要な価値観や行動を学ぶため、リーダーをお手本とし、社員は自分のあるべき姿をつくり上げていくでしょう。

そのため、会社としてもリーダーにふさわしい人物を配置することが、組織文化の浸透につながります。

採用活動

会社の成長に停滞を感じたときは、これまでの会社の信念や方向性を一度リセットし、新たな組織文化をつくり上げることで、会社の再成長につながります。

新たな組織文化をつくるには、組織の変革に関わる新たな人材が必要となるため、採用活動も組織文化に必要な要素となります。

自ら変革を起こし、既存の社員を新しい方向に導くことができるようなリーダーシップを持つ人材を採用することがポイントです。

社内評価

組織文化が浸透しない理由の1つに、社員が組織文化に沿った行動をしていても、それが評価されないことが挙げられます。人事評価制度や評価基準を見直すことも組織文化に必要な要素です。

組織文化に沿った課題解決が評価に反映されるようになると、社員はより組織文化に共感するようになるでしょう。社内評価見直しの例としては、売上だけではなく、その売上を出すためのプロセスも評価することや、良い仕事を成し遂げた人を表彰することなどがあります。

組織内エピソードの共有

例えば、会社の危機が訪れた時にどのように対処し、解決に導いたかというエピソードは長い間語り継がれ、その時の行動や気持ちを忘れないという意味を込めて組織文化として定着することがあります。

実際に起きたエピソードはイメージがしやすく、社員の心に響くため、組織内エピソードは組織文化に必要な要素といえます。

社員が入社する際に、エピソードを伝えることや、定期的に組織内で実際にあったエピソードを共有することも有効です。

 

 

「7つの習慣」を活用した組織文化変革の事例

7つの習慣とは、自ら考え行動するメンバーを育成するためのノウハウを手に入れる、実践型の研修です。

最後に、7つの習慣を活用し、組織文化の変革を遂げた企業の事例をいくつかご紹介します。

株式会社大正光学の事例

大正光学では、以前も人材育成の研修を受けていましたが、その効果は研修を受けた瞬間だけという課題がありました。さらに、業種の特徴として、どうしても誰かの指示待ちの仕事になってしまうことも課題でした。

これらの課題を解決するため、7つの習慣を活用して組織文化変革に取り組みました。

7つの習慣の研修を導入した直後に、今まで主体性のなかった管理職が自ら行動し、会議で意見を発言するようになり、大きな変化を実感しています。また、研修を受けていない社員が、研修を受けた後の人の変化を感じ驚いている状況も報告されています。

<参考記事>「7つの習慣®」研修が私たちの目指す未来への加速度をあげる、間違いなく。

株式会社TVEの事例

TVEは創業100年の節目を迎えるにあたって、事業としては非常に高いレベルに位置しているにも関わらず、成長を描きづらいという課題を抱えていました。

また、伝統も信頼も技術もあるため、変わる必要もなければ変わることに対する抵抗感もあったため、パラダイムシフトを起こさないといけない危機感がありました。

社員にパラダイムシフトの必要性を気づかせるために、7つの習慣を導入したところ、社員が以前よりも新しいことを考えてくれるようになり、積極的に取り組む姿も見られるようになりました。

経営陣も、組織としてやらなければいけないと思っていたことを具体的にどうしていくかを議論するようになり、変化を感じられています。

<参考記事>「7つの習慣®」オンライン研修が各セクションにもたらした「パラダイムシフト」

株式会社パナソニックマーケティングスクールの事例

株式会社パナソニックマーケティングスクールでは、創業者の経営理念は時代が変わっても普遍的なものでしたが、社員からどう行動に落としていくかがわからないという声がありました。

頭では理解できていた企業理念を体系化し、社員が行動に移しやすくなり自立できるようにと導入したものが7つの習慣でした。

結果として、7つの習慣を受講した若手社員だけではなく、40代以降の中堅社員までも、今までこうするのが当たり前だったという固定観念を捨て、パラダイムシフトができました。

7つの習慣を実践できると社員は主体的に考え、自ら行動するようになります。そして、主体的な社員が増えると組織が活性化し、求職者にとっても魅力的な企業に見えます。

<参考記事>株式会社パナソニックマーケティングスクール

 

株式会社マルハンの事例

マルハンは自社のホワイト化に取り組むために、7つの習慣を学びなおしました。従業員数が増えていくなか、イズムを制定してから約20年経ち、原点を知らない人も増えてきたためです。

社内に7つの習慣ファシリテーターが40名ほどいましたが、追加で50名選出し、ファシリテーター育成を始め7つの習慣事務局と連携し、自社向けの7つの習慣プログラムの構築もしました。

幹部からアルバイトスタッフまで7つの習慣に触れられるように推進し、会社が取り組んでいる働き方改革や、有給取得促進を何のために実施しているかを実感してもらえるようになりました。

<参考記事>認定企業・インタビュー株式会社マルハン

まとめ

組織文化は、経営陣から一般の社員まで、仕事の仕方に影響を与えるものであり、組織文化が浸透すると、組織としての一体感や自発的に行動できる社員が増えるなどのメリットがあります。

創業者や会社のリーダー的役割の人が重要な要素となり、彼らをお手本として社員は自分のあるべき姿をつくり上げていきます。

組織文化の変革を考えるときは、7つの習慣という自発的に行動する人材を育成するための研修を取り入れることもおすすめです。

 

 

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