リーダーシップを発揮する社員の具体的な行動8選
オンライン研修にZoomは使える?
Zoomはもともと、Web会議ツールとしてその使い勝手の良さから利用者数を伸ばし続けていました。
Web会議ツールが定着した今、ニューノーマルを見据えてWeb会議ツールを駆使した研修にZoomが使用されるケースが増えています。
では、オンライン研修ツールとしてのZoomについてみていきましょう。
オンライン研修とは
オンライン研修とは、インターネット経由で受講できる研修のことです。
研修のための会議室等の場所が不要、移動の手間がかからないなど、従来の集合型研修にはないメリットがあります。
特に最近は新型コロナウイルス感染症対策として急速に注目を集めているのです。対面とは違い、離れた場所から受講可能なため、感染症対策に適した研修方法であるということで導入企業は増加傾向にあります。
Zoomとは
先ほども触れた通り、ZoomはもともとWeb会議ツールとして注目を集めていました。
ZoomはWeb会議ツールとして使用する場合も、主催者がアカウントを取得さえしていれば、他の参加者はアカウント登録することなく利用可能です。
オンライン研修にZoomが多く導入されている理由としては、すでにWeb会議ツールとして導入している企業が多いこと、そして研修に使用する場合も同様に、主催者だけがアカウントを取得していればよいという点が挙げられます。
ZoomなどWeb会議ツールを使ったオンライン研修が増えている
新型コロナウイルス感染症予防の観点からも、近年Web会議ツール活用事例は増加し続けています。そして、会議の用途だけでなく、オンライン研修にも活用されるようになってきました。
しかし、もともとWeb会議ツールとして作られているツールを、オンライン研修でそのまま利用することは可能なのでしょうか。
そこでここからは、Web会議ツールZoomをオンライン研修に活用するために、知っておくべきポイントをいくつかご紹介していきます。
Zoomには2種類ある!オンライン研修に向いているのは?
Zoomには、ミーティング機能とウェビナー機能の2種類があります。
ウェビナーとは、「Web」と「セミナー」を掛け合わせた造語で、オンラインで行うセミナーを意味し、バーチャルな会場でセミナーやイベントを行うイメージです。
研修には、ウェビナー機能を使ったほうが便利なケースもあります。
そもそも、ミーティング機能とウェビナー機能では、参加者の数に大きな違いがあります。
ミーティング機能を使った場合、オンライン研修に参加可能な人数は主催側も含め最大100人となります。もしそれ以上の規模でオンライン研修を実施したい場合はミーティング機能の有料版を利用する、またはウェビナー機能を利用する方が適していると言えるでしょう。
また、ミーティング機能を使用した場合は参加者同士がやりとりをすることも可能ですが、ウェビナーの場合は参加者同士のやりとりはできないことになっています。そのため、ウェビナーでは基本的に講師の話を聞くという講義型スタイルです。
ちなみにウェビナーの場合、講師以外にもパネリストが参加することが可能で、ビデオ共有に関してはホストとパネリストのみが共有する権限を持っています。
Zoomミーティング
Zoomミーティングでは、全参加者と画面共有し、ビデオとオーディオをオンにすることでお互いに顔を見ながら会議に参加することが可能です。
参加者全員と画面共有ができるため、例えばPowerPointやPDFファイル、ビデオ映像などをボタン一つで研修参加者全員に見せることが可能です。
これまでの集団研修では、事前に印刷をして配布をする必要があった資料に関しても、オンライン研修の場合は簡単にWeb上で共有が可能になります。
ミーティングに参加できる上限人数は、無料のライセンスの場合は100人、プランに応じて上限人数は上がり、有料の「大規模ミーティングアドオン」の導入で最大1,000人となります。
Zoomミーティングでは、参加者は自信でビデオとオーディオのオン・オフを選ぶことが可能です。
受講者側は、必要がなければオーディオをオフにしてビデオだけオンの状態で研修を進め、質問があるときなどはオーディオをオンにすることもできます。
場合によっては、受講者のビデオもオーディオもオフにして研修を受けることも可能です。
ただ、研修の場合は緊張感を維持するためにも、ビデオはオンにしておくケースが多い傾向にあります。
Zoomミーティングの機能
Zoomのミーティング機能には、どのようなものがあるのでしょうか。
Zoomミーティングには、参加者全員が自由に書き込むことが出来るホワイトボード機能が搭載されています。
使い方は簡単で、画面共有機能からホワイトボードを選ぶと機能を使用することができます。
ホワイトボード機能を使用することで、対面時と変わらずにホワイトボードに書き込みながら研修を進めることが可能となります。
そのほかの代表的な機能をみていきましょう。
全員がビデオ参加できる
参加者全員がビデオ参加できるのもZoomミーティングの特長です。
ウェビナー版は、参加者は視聴者と位置付けられるため、基本的に参加者からアクションを起こすことはできません。
主催者が操作をすることで、一部の参加者をパネリストに昇格させることは可能ですが、お互いにコミュニケーションを取りたいと考える場合は、Zoomミーティングのほうが適しています。
ブレイクアウトルーム
Zoomミーティングには、ブレイクアウトルーム機能というものがあります。
ブレイクアウトルーム機能とは、Zoomでのミーティングを最大50セッションに分割する機能です。
オンライン研修といっても一方的に講師の説明を聞くだけではなく、参加者をいくつかのセッションに分け、グループワークを実施することが可能です。
セッションの振り分けには、自動・手動の2つの方法があります。ランダムに組んだメンバーで問題がない場合は自動で、目的別で振り分ける場合は手動で、と状況に応じて選ぶことができるのです。
意思表示アイコン
ミーティング主催者が意思表示アイコン利用を設定している場合、研修を遮ることなく参加者全員でコミュニケーションを取ることができます。
たとえば「はい」「いいえ」のボタンを用意しておけば、講師の問いかけに対して参加者各自がボタンで応答することも可能です。
Zoomウェビナー
Zoomウェビナーは、ライセンスに応じて最大100人〜10,000人まで利用することができます。
カメラやマイクの操作は、主催者またはパネリストのみが行います。受講者のカメラは有効化されません。
双方向ではない分、参加者は研修の話に集中でき、主催者側も参加者のリアクションなどに気を取られず講義に専念しやすいのが、ウェビナーの特長です。
大規模研修などにはZoomウェビナーを使用したほうが、スムーズな進行ができるでしょう。
Zoomウェビナーの機能
Zoomウェビナー機能には、どのようなものがあるのでしょうか。
Q&A機能
ウェビナーでは、Q&A機能を使用して参加者が質問し、それに対して主催者やパネリストが回答することができます。
この機能はZoomミーティングには搭載されていない、ウェビナー機能独自のものです。
Q&A機能を使用することで、主催者が一方的に研修を進行するのではなく、参加型の研修を実現することができます。
実践セッションでリハーサル
Zoomウェビナーでは、実際にウェビナーをスタートさせる前にZoomの扱いに慣れることを目的とした実践セッション機能でリハーサルが可能です。
実践セッションに参加できるのは、主催者、代替ホスト、パネリストのいずれかとなります。
実践セッションは、それぞれ1回のみ実施可能で、主催者が実践セッションをしている最中にパネリストが実践セッションを開始しようとすると、同じ実践セッションに入ることになります。
それぞれの比較
最後に、ミーティング機能とウェビナー機能の具体的な違いを確認しましょう。
ミーティング機能のメリットは、双方向コミュニケーションが取れるという点や、グループワークも実施可能という点が挙げられます。
ウェビナー機能のメリットは、集中して講師の話を聞くことができるという点と、講師側も話すことに専念できるという点にあるでしょう。
講師側に伝えたいことがあるときには、チャットや意思表示ボタンを使うことも可能なので、講義が一方通行ということにもなりません。
ミーティング機能とウェビナー機能を選ぶ際には、自社が予定している研修内容がどちらに適しているかを検討してみてください。
Zoomで研修を行うメリット・デメリットとは?
続いて、Zoomで研修を行うメリットとデメリットをみていきましょう。
メリット
メリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
・接続が安定している
Zoomの特徴のひとつとして、他のWeb会議ツールと比べるとデータ通信料が少ないというものがあります。
そのため、通信遅延のリスクを小さく抑えることが可能です。
オンライン研修は基本的にリモートでの実施となりますが、参加メンバー全員のインターネット環境が整っているとは限りません。
そのような状況において、通信料が少なく、接続が安定しているというのは、大きなメリットといえるでしょう。
・使いやすい
ZoomはWeb会議ツールとして利用者が多いこともあり「一度は使ったことがある」という方も多いでしょう。
そのため、まったく知らないツールを使うよりも使いやすいという印象を持っている方が多い傾向にあります。
また、利用者数が多いことからインターネット上の情報も豊富で、分からないことがあったときにも、検索をするとすぐにヒントを得ることが可能です。
・簡単に開始できる
Zoomはミーティングもウェビナーも、参加する分にはアカウント取得などの必要がありません。
個人情報を入力し、登録する手間がない分、気軽に、簡単に参加することができるツールといえるでしょう。
・テレワークに対応できる
もともとはWeb会議ツールであるため、受講者はどこにいても研修を受けることが可能です。
テレワークで自宅にいても、同じ会場で講義を受けているのと変わらない内容の研修を受けることができます。
注意点・デメリット
続いて、注意点やデメリットにはどのようなものがあるのか、みていきましょう。
・有料プランの利用が必要
ウェビナー機能を使用する場合は、有料プランに申込む必要があります。
・機材や環境の準備が必要
主催者は、カメラやマイクの準備が必要です。
解像度の低いカメラを使用すると画像が荒く、文字などが読みにくい可能性もあります。マイクもノイズが入ったり、一方で高性能すぎて周囲の音を拾いすぎることもあるでしょう。
外付けのカメラやマイクを用意することが可能な場合は、このような問題を解決できます。
三脚や照明も用意できる場合は使用し、受講者にとって見やすい映像配信を心掛けましょう。
・長時間の実施は疲れる
集合研修と同じように、長時間研修を行うのはZoom上であっても疲れます。
そのため、研修プログラムの中に、適宜休憩を挟むようにしておきましょう。身体か固まってしまわないためにも、ストレッチや身体を動かすことを促すなどしてもいいかもしれませんね。
・雑談が生まれにくい
集合研修の場合、参加者が直接質問したり、参加者同士が会話をする機会もあります。
そのような雑談から学びが深まることもあるのですが、その点ではZoomを使用しての研修は雑談が生まれにくいというデメリットもあります。
「わざわざ挙手したり、意思表示ボタンを押したり、チャットで質問するほどではないけど、目の前に講師がいたら質問していたかもしれない」という内容の質問を取りこぼしてしまうのは、研修としてはもったいない部分があるのも事実です。
対面の研修でも同じことが言えますが、質疑応答の時間を設けたり、受講者が話しかけやすい雰囲気を作ることも主催者側は年頭に入れておくといいでしょう。
これらのデメリットはZoom特有のデメリットというよりも、オンラインで研修を実施する場合に考えられる一般的なデメリットといえます。
デメリットがあることも理解したうえで、オンライン研修を実施する場合にどのような工夫ができるかが今後の課題となるでしょう。
Zoomでオンライン研修を行うポイント
最後に、Zoomでオンライン研修を行うポイントを確認しておきましょう。
講師・受講者ともにオンライン研修環境を整備する
まず、講師も受講者も、オンライン研修環境を整備する必要があります。
あらかじめ安定したWi-Fi環境があるか、主催者側は周囲の雑音が入らないか、参加者は落ち着いて話を聞ける環境があるかを確認しておきましょう。
事前にツールの使い方に慣れてもらう
参加者には、事前にツールの使い方に慣れておいてもらうことをおすすめします。
ビデオ開始やマイクのミュート設定、画面共有などについて、あらかじめ伝えておいたほうが当日スムーズに研修を進めることができるでしょう。
研修時はアシスタント人員を設ける
Zoomで研修を行う場合は、講師が一人で参加者からのチャットや意思表示ボタンなどに返信するのは大変な作業となります。
可能であれば、アシスタント人員を設けるようにしましょう。
録画機能を有効活用する
Zoomの画面録画は、最初に自動録画設定をしておけば自動でレコーディングされます。
研修動画の録画をアーカイブしておけば、リアルタイムで受講できなかった人や、一度説明を受けただけでは分からなかった人が再度視聴することも可能です。
録画に関しては、参加者への合意を取ったうえで、実施することをお勧めいたします。
ZoomミーティングとZoomウェビナーは研修規模と目的で選ぼう
ZoomミーティングとZoomウェビナー、どちらかを選ぶときに大切なのは研修の規模とその目的を明確にすることです。
目的によって、ブレイクアウト機能が必要であったり、講師の話をしっかりと傾聴できる環境が大切であったりと、状況は異なります。
まずは研修の規模と目的を再確認することが、オンライン研修成功への一歩となるのです。