リーダーシップを発揮する社員の具体的な行動8選
eラーニングとは?
eラーニングとは、インターネットを使った学習形態を指します。パソコンやタブレット、スマートフォンなどのデバイス、ITネットワークを活用し、学習することです。
動画や静止画など、あらかじめ用意された教材を、受講者が視聴して学ぶスタイルとなっています。
通学で学習するのとは違い、eラーニングは学習する時間や場所の制限がなく、自分のペースで学習を進めることができるのが最大のメリットです。
また、分からないことがあったときに、何度も動画を見返すことができるため、しっかりと理解できるまで学習を深めることができます。
ちなみにオンライン学習と混同されがちですが、オンライン学習はリアルタイムの動画が配信されるタイプのため、コンテンツの提供方法に違いがあります。
eラーニングの実施に便利な「LMS」とは?
eラーニングを実施するのに便利なLMSという学習管理システムが、注目を集めています。
LMSは「Learning Management System」の略で、eラーニングのオペレーションシステム的な存在です。
つまり、学習運用に使用する機能を完備した管理システムということです。
具体的な機能としては、受講者の登録や変更、削除ができ、学習教材登録や受講者への配布、受講者の学習履歴や進捗状況・成績管理などを一括で行うことが可能です。
受講者自身も、自分の成績や進捗状況をマイページなどで確認することができるので、目標設定が行いやすくなります。
このほかにも、成績の集計や分析、受講者同士の掲示板設置や、受講者に対するメール送信機能などを搭載したものもあるので、自社の目的に合わせたツールを選ぶようにしましょう。
LMSを活用することで、研修を一人で黙々と受けるのではなく、仲間とともに学びながら、講師とも交流を図りつつ、学習を進めている実感を得やすくなります。
継続して学習するうえで、刺激し合う仲間の存在はとても大切です。上手に活用し、受講者のモチベーション維持に役立ててください。
eラーニングで使える「テスト機能」とは?
eラーニングの場合、学習効果を把握することや、受講者のモチベーションを維持することが難しい点とされてきました。
しかし、LMSで導入されているテスト機能を活用することで、管理者、そして受講者自身が学習の結果どの程度理解できているかを確認することが可能です。
テストを実施することで、学習者がより効率的に学習を進めること、そして管理者が研修効果をリアルタイムで把握できるようになります。
テスト機能でできること
一般的なLMSで導入されているテスト機能には、以下のようなものがあります。
・同時刻の同時間帯に、一斉テストを開催する機能
一斉テストは、同じ日の同時刻にテストを開催する機能です。
資格試験などで導入されており、社内研修においては、社内で一斉受験する資格試験などで使われるケースもあります。
・テスト問題を出題して、受講者の解答を受けて正誤判定を自動で行うテスト機能
オンラインならではのテスト形式として、解答してすぐに正誤判定が受けられるというものがあります。
すぐに正誤が分かるため、受講者としてもモチベーション維持につながりやすく、反復学習にも役立つ機能です。
また、運営側としては、テスト機能を活用して受講者の習熟度や、苦手なカテゴリーなどを確認できます。
「○○さんは、熱心に研修を受けてくれている」「××さんは、あまり受講していないけれど、今忙しいのかな」というように、受講者の状況を確認することも可能です。
規模の大きな会社の場合、全員を細やかに把握するのは難しい面もありますが、メンバーを絞り込んで一斉通知を出す機能があるシステムも上手に利用しましょう。受講率が低いメンバーにはリマインダーを送付し、習熟度が高いメンバーにはテスト受験を促すなど、限定したメンバーに必要と思われる通知を送ることも可能です。
上手に活用して、社員の研修に対するモチベーションを確保していきましょう。
eラーニングでテストを実施する効果とは?
eラーニングでテストを実施するメリットは、受講者がすぐに自分の習熟度が確認できる点にあります。
自分が今、どのレベルにいるのかが分かるというのは、受講者のモチベーションにもつながります。時間を空けることなく速やかに復習したくなるというプラスの作用も期待できるので、大きなメリットといえるでしょう。
研修サイドとしては、テストの実施目的を明確なものとし、問題に妥当性・信頼性を感じられる、ストレスを感じさせることのないテスト作成を目指すことが大切です。
eラーニングの効果を高めるより良いテストの作り方
eラーニングでは、受講者が学習した内容がしっかりと理解できているか、その習熟度を確認することが重要です。
テストを作成する際には、作成者側としても学習内容の要点を確認し、どう設問すればどのような解答が得られるかを想定する必要があります。選択肢問題の場合は誤答も用意しなければなりません。
さらには、解説も必要です。
今後の研修・教育施策をより良いものにするために、テスト作りは非常に重要なものと考えましょう。
eラーニングそのものの目的に沿ったテストを作る
まず確認しておきたいのは、どのような目的で、どのような効果を測定するか、というテストの目的です。
目的が明確でなければ、最適なテストの仕様や設問、解説などを作成することができません。
時間短縮という意味でも、制作コストを最小限に抑えるという意味でも、目的の明確化は必要不可欠です。
テストの目的を明確にするためには「テスト範囲の学習教材のテーマ」「教材学習後に受験するテストの目的」「受験生の理解度を測る基準について」を明確にしておく必要があるので、しっかりと内容を精査し、テスト作成に臨むようにしてください。
学習内容の理解度を測ることができるテストにする
テストの目的が明確化できたら、学習内容の習熟度や理解度を正しく判定するためのテスト仕様をよく検討する必要があります。
具体的には、以下のポイントを検討してください。
・「事前テスト」「事後テスト」「確認テスト」「修了テスト」などのテストの種類を設定
研修を受講する前に受ける事前テストと、研修後に受ける事後テストや確認テストでは、研修の効果を測定することができます。
確認テストは、1講義終わるごとに受験するテストで、知識定着の確認を行います。
修了テストは、受講者が最後のスライドを見終わった後受験することができるテストとなっており、研修を完了していることを確認のうえ、受験します。
このように、目的に合わせてテストの種類を設定すると、どのような形式のテストにすればよいのかが見えてきますので、まずはテストの目的を明確にしましょう。
・複数選択式、プルダウン式、択一式、○×方式などの出題形式設定
Web上でのテストなので、記述式ではなく、複数選択方式やプルダウン式、択一式、○×方式などの出題方式が一般的です。
解答や解説については、1問解くごとに解答と解説が表示される形式や、全問解いた後に結果と解説が閲覧できる形式などがあります。
たとえば、確認テストの場合は1問解くたびに解答と解説が表示され、その場で確認できる方式を採用したり、修了テストの場合は最後まで解答が完了して、初めて解答と解説が閲覧できるようにするなど、テストの目的に合わせて解答と解説の方式を選ぶ必要があります。
・採点後解説を出すか否か
採点後に解説を表示するかどうかは、テストの目的にもよります。
事前テストは、これから研修を受けるので解説は不要、という考え方もひとつです。
事後テストや修了テストは、研修を受けた後にきちんと内容を理解しているかを確認する意味合いがあるテストとなります。
間違えた場合もう一度復習をして再度テストを受験するように、解説を敢えて表示しないというケースもあります。
確認テストの場合は、テストの内容にもよりますが、反復練習することで知識が定着する内容の場合は解答と解説を表示する傾向にあるようです。
・合格基準
テストに合格基準を設けるかどうかを設定します。
「研修を受けたら、このくらいは理解してほしい」というラインがある場合は、それを合格基準として設けて、その点数に到達するまで繰り返し受験してもらいましょう。
一方で、あくまで「○○点以上を目指しましょう」という目標設定という形でとどまるケースもあります。
合格基準に関しても、テストを設定する際には最初に決めておくべきポイントです。
合格を必須とした場合と、合格点を目指す場合では、学習内容も異なりますのでしっかりと決めておきましょう。
受講者が解答に集中しやすいテストにする
テストを作成する際に、受講者が解答しやすいテストを意識して作成することも重要です。
受講者が解答しやすいテストとは、妥当なレベルの問題を、出題範囲内から分かりやすい言葉で出題するテストとなります。
学習範囲ではない、まだ勉強していない内容をうっかり出題してしまうと「そこはまだやっていないのに」と受講者は混乱します。一度混乱してしまうと、その後の問題に対しても落ち着いて取り組めなくなってしまうので、注意が必要です。
学習範囲内の内容を、分かりやすい形で出題することが、何よりも大切であると考えましょう。
また、必要以上に問題の本質が分かりにくい、出題方法が違いすぎる、などテストの内容に集中できないような出題形式は、受講者にストレスを与えてしまいます。
受講者の立場に立って、出題意図が分かりやすく、解答しやすいテスト作りを心掛けてください。
設問文に関しても、その仕様が一問ずつ違っていると、それだけでも受講者にとってはストレスとなります。文体や語尾などは統一して、読みやすく整えるようにしましょう。
さらに、Webテストとなるので、画面上に残り時間などを表示することも可能です。
ただし、残り時間を表示すると、受講者にとってそれは心理的なプレッシャーとなり得ます。残り時間の表示が本当に必要かどうかを見極め、必要と判断した場合はストレスにならない表示方法を検討してください。
また、残り時間を表示するのではなく、時刻を表示する方法もあります。
eラーニングのテスト機能を活用した事例
では、実際にeラーニングのテスト機能を活用した事例をいくつかご紹介します。
learningBOXを利用したSMONA社の事例
協同組合臨床開発支援ネットワークSMONA社では、組合として到達すべきレベルを定め、eラーニングテストを実施しています。
トレーニングで全員が100点を取ることを目標とし、年に1回の認定試験、そして継続認定にもテストを運用し、受講者には100点になるまで何度でも受験することを促し、知識定着にも役立てているケースといえるでしょう。
引用元:株式会社龍野情報システム「よりよい薬をより早く」患者様へ
eラーニングシステムを導入し、専門性の高い知識の習熟度アップを実現。
Learning Wareを利用したNTT Com チェオ社の事例
NTT Com チェオ社は、もともと集合研修でテストを実施し、解答を回収して研修担当者が1枚ずつ採点をしていましたが、会社規模が拡大したことでeラーニングによるテスト導入を決めました。
受講者が携帯電話からもスムーズに解答できるため、満足度も高く、かつ研修担当者の業務効率化にもつながった理想的な事案といえるでしょう。
テスト機能を活用して研修効果を高めよう
テスト機能を使用することで、研修の成果を測定することが可能です。
テストを実施した後には、やりっぱなしでおしまいにするのではなく、テスト結果を分析したり、受講者へアンケートを採ったりすることで、今後のよりよい施策へとつなげていきましょう。
アンケートを実施する場合には、テストの目的が達成できたか、テスト問題のレベルや合格基準は妥当かなどを確認すると、改善点がみえてきます。
分析を続けることで、テスト、そしてオンライン研修自体の質を高めることになるので、ぜひ継続してみてください。