リーダーシップを発揮する社員の具体的な行動8選
eラーニングとは?
eラーニングとは、インターネットを利用して学ぶ学習形態を意味します。
これまで、研修といえば集合型研修と呼ばれるスタイルが一般的でした。集合型研修とは受講者が一つの会場に集まり、インストラクターによる講義を受講する形式で行われるものです。
集合型研修を開催する場合、会場の確保や、受講者の移動のための交通費、場合によっては宿泊費など、大変なコストが必要となります。
また、参加する受講者も時間的に拘束されて、指定された時間帯のスケジュールを空けて研修に参加する必要があるため、研修を受けるにも一苦労、という面があったのも事実です。
そのような状況を改善するべく登場したのが、IT技術を駆使したオンライン研修です。
オンライン研修は、言葉の通りインターネットを使用してオンラインで学習するシステムを意味しますが、その内訳には2種類あります。「eラーニング」と「オンライン学習」です。
eラーニングは、あらかじめ用意された動画や静止画を受講者が視聴し、学習を進めます。
それに対して、オンライン学習はリアルタイムでライブ配信される授業を視聴するスタイルです。
今回は、eラーニングについて、そしてeラーニングの実践をサポートするLMSについて、詳しく解説していきます。
集合型研修とeラーニングの違い
それでは、集合型研修とeラーニングの違いについて、みていきましょう。
集合型研修のメリット・デメリット
まずは、集合型研修のメリットから確認していきましょう。
同じ空間に、同じ目的を持った受講者が集まる集合型研修は、受講者同士の人間関係が構築され、モチベーションアップを保つ効果が期待できます。
また、体系的な学びを実践できるのも、集合型研修の魅力です。
技術スキルや知識についての講義を受け、その場で講師に質疑応答する経験は、深い学びにつながります。
講師は受講者のリアクションをリアルに感じながら、理解度に合わせた授業を行うことが可能です。
このように集合型研修には、ライブ授業だからこそ身につけられる知識やモチベーションがあります。
集合型研修のデメリットとしては、会場確保や講師の手配、当日の会場管理や受講者対応といった当日のアテンド、研修実施後のフォローなど、運営する側の業務が大変多いことが挙げられるでしょう。
また、受講者のスケジュール調整や研修内容企画などにも時間が必要となるので、研修を実施したいと思った日から実際に研修を開催するまでに、かなりの時間を要する傾向にあります。
会場費用や講師料などの支払いも必要となるので、手間とコストがかかるという点が集合型研修のデメリットといえるでしょう。
eラーニングのメリット・デメリット
続いて、eラーニングのメリットをみていきましょう。
eラーニング研修最大のメリットは、コストを抑えられるという点にあります。
パソコンやスマートフォンを利用し、個人で学習する形式のため、これまで事前に確保が必要だった会場手配やスケジュール調整が不要になる、ということです。
その分の費用や人件費を抑えることができるのは、とても大きなメリットとなります。
また、全国に支店があるような企業にとって、どこにいても同じ研修を受けることができることは大きな魅力といえるでしょう。
研修用の動画も、最初に作成する際には費用がかかりますが、教材として今後も使用することができるので、集合型研修のように毎年講師を招いて講師料を支払う必要はありません。
動画配信をしておけば、受講者が「ここの部分をもう一度確認したい」と思ったときに、いつでも見返すことも可能です。
受講者のペースで学習を進められ、繰り返し動画視聴も可能なeラーニングは、研修には適した手法といえるでしょう。
とはいえ、eラーニングにもデメリットは存在します。
まず、オンライン形式でのコンテンツ配信となるため、実践を伴う学習には適していないという面があります。
また個人で進める学習なので、仲間とともに切磋琢磨して刺激を受けることができる環境ではなく、モチベーション維持が難しい点もデメリットといえるでしょう。
近年では「ブレンデッドラーニング」も注目されている
eラーニングのデメリットを解消するために、新しい研修方法として「ブレンデッドラーニング」が注目を集めています。
ブレンデッドラーニングは、集合型研修とeラーニング、オンライン研修などの手法を合わせて行う学習方法です。
ブレンデッドラーニングは、eラーニングのメリット、集合型研修のメリットを最大限生かして、より高い学習効果を上げることを目的とした学習方法となっています。
対面では実施が難しい場合にも、eラーニングとオンライン研修を組み合わせることで、eラーニングだけ、オンライン研修だけでは得られない効果を上げることが可能です。
また、場合によっては集合型研修も組み合わせることで、それぞれ単体で取り組んだとき以上の高い効果が期待できます。
集合型研修、eラーニング、オンライン研修、それぞれのいいところを柔軟に採用して、高い学習効果を発揮する新しい研修スタイルが、ブレンデッドラーニングです。
eラーニング実施に必要な「LMS」とは?
続いて、eラーニングを実施するために必要となる準備についてみていきましょう。
eラーニングを実施するには、LMSと呼ばれるシステム導入が成功の鍵となります。
LMSが生まれた背景
LMSとは、Learning Management Systemの頭文字をとったもので、インターネット上にeラーニングを配信するために必要なプラットフォームです。
IT化が進む前は、eラーニングはCDやDVDなどを使用して、パソコン学習というスタイルで行われていました。
パソコン学習は、受講者の学習意欲を維持するのが困難であることが最大のデメリットで、かつeラーニングを実施する運営側としても受講者の管理やケアはコントロールができないという問題点がありました。
そのようなデメリットをカバーするために誕生したのが、学習管理システムであるLMSです。
LMS導入で、受講者の学習進捗の把握が可能となっただけでなく、テストの得点や、得意・不得意を把握できるようになりました。
受講者データを管理・分析することで、より質の高い学習コンテンツや課題作成が実現でき、結果としてeラーニングの効果を高めることに成功したのです。
eラーニングを便利にするLMSの機能
LMSの基本的な機能としては、受講者情報登録や変更・削除、学習教材の登録や受講者への配布、受講者の学習履歴や進捗状況・成績管理などがあります。
受講者側も、マイページなどを活用することで自分の成績や進捗状況を把握することができ、目標設定が行いやすくなりました。
このほかにも、テスト結果や成績の集計・分析、受講者に対するメール送信機能、受講者同士の掲示板設置機能などを搭載したLMSもあります。
LMS上で議論を行うことで学びが深まったり、気づきを得る機会にもつながり、学習効果が高まったという結果が出たため、受講者同士がコミュニケーションを展開できる機能を搭載したLMSも増えてきています。
学習をサポートする機能
LMSには、学習をサポートする機能があります。
具体的には、受講者が受講必須とされている講座の履修登録を行ったり、受講することが可能と設定されている講座を閲覧のうえ、必要性を感じた場合履修登録をする「講座閲覧・登録機能」などです。
また、受講者が履修登録をした講座の受講進捗や学習時間を確認する機能もあるので、自分の学習がどの程度進んでいるかを確認しながら学ぶことができます。
必要に応じて、研修受講前に受験する「事前テスト」や、研修終了後に受ける「事後テスト」、授業後に受ける「確認テスト」、研修をすべて完了した時点で受験できるようになる「修了テスト」など、学習成果を確認するテストを受験することも可能です。
先ほども軽く触れましたが、学習面だけではなく、メンタルケアの面でも役立つような、受講者同士がコミュニケーションを取ることができる掲示板設置機能を搭載したLMSもあります。
受講者同士がつながりを持つことで、学習のモチベーションアップ効果が期待できるでしょう。
研修の運営をサポートする機能
研修の運営をサポートする機能としては、講座管理機能や受講者管理機能、履修管理機能などがあります。
講座管理機能では、研修運営側が受講者に対して講座の割り当てを行ったり、受講可能期間を設定したりすることができます。
研修の進捗状況を人事や上司が確認するための履修管理機能も、研修運営には大変便利です。
LMSを利用するメリット
LMSの導入は、運営側にも受講者にもさまざまなメリットをもたらします。
研修の実施を効率化できる
eラーニングの場合、集合型研修とは違い、会場確保や教材の印刷や配布、講師手配などの必要はありませんが、それでも事前に準備すべきことはたくさんあります。
受講者抽出や研修に関する告知、配信動画準備などがその一部ですが、LMSを活用することで管理がしやすくなり、業務効率化を図ることが可能です。
場所や人数を問わずに研修プログラムを提供できる
eラーニングのメリットとも関連しますが、LMSを活用することで、会場などの場所の確保や、収容人数の制限なく研修プログラムを提供することが可能となります。
運営側の設定でIP制限を設けられていない講座は、時間や場所を選ばずに、受講者の都合に合わせて受講することが可能です。
忙しい業務の隙間時間を活用して学びたい受講者にとって、時間や場所を選ばず受講できるというのは大きな魅力であり、学習意欲の向上にもつながります。
管理やデータ収集も得意
LMSを利用することで、受講者の学習時間集計や受講者ごとの学習進捗、テスト結果確認などがサーバー上で一元管理可能となり、簡単に抽出して閲覧することもできるようになります。
教材管理もサーバー上で行うことができるため、運営側の業務量をかなり軽減することが可能です。
業務を効率化し負荷を軽減することで、研修のクオリティをアップさせる時間的余裕を持つことができるようにもなり、結果として好循環を生み出します。
受講者にとっては、自分の学習履歴が簡単に確認できるので、得手不得手を把握しやすいという点がメリットです。
学習進捗率やテスト結果もリアルタイムに表示されるので、モチベーションが維持しやすく、学習効率アップにもつながります。
eラーニングにLMSを活用した事例
それでは、eラーニングにLMSを活用した事例をみてみましょう。
アサヒビール株式会社(CAREERSHIPの導入事例)
アサヒビール株式会社では、eラーニング教材を導入していたものの、全社員3,200人に対してその閲覧状況は500PV程度と低迷していました。
そんな折にLMSを導入したところ、利用率が12倍ほどに伸び、6,000 PVを達成したといいます。
システムが使いやすくなったこと、そして社員のニーズを踏まえた情報発信を積極的に行い、リアルな学びとキャリア形成の連携がLMS導入で実現したことが、成功の鍵となった事例です。
管理する側も、利用する側も使い勝手の良いLMSを導入したことが、劇的な利用率アップにつながったといえるでしょう。
引用元:株式会社ライトワークス「〔アサヒビール株式会社〕利用率が12倍に!マイナーな存在だったeラーニングから成長を後押しするLMSへの転換を成功させた4つの要因」
https://www.lightworks.co.jp/case-studies/2951
レバレジーズ株式会社(Smart Boardingの導入事例)
レバレジーズ株式会社では、少人数の人材開発チームの教育生産性を上げなければならないという課題から、LMS機能を持つSmart Boardingを導入しました。
導入後は「Smart Boarding」のLMS機能を活用して、月間19時間の工数削減に成功しました。
人材開発チームでは、これまで全て対面で行っていた研修を自分たちで動画にして、配信する形に切り替えました。
講義型で教える部分を動画やeラーニングコンテンツに置き換えるだけでも、毎月コンスタントに実施しなくてはならない研修への人的負荷は軽くなりました。月間19時間の工数削減は生産性の向上に大きく貢献しています。
引用元:株式会社FCEトレーニング・カンパニー「〔レバレジーズ株式会社〕自社オリジナルコースやナレッジ蓄積で、少人数の人材開発チームの教育生産性を大幅にアップ」
https://www.training-c.co.jp/casestudy/1917/
利便性もコストパフォーマンスも抜群のLMS導入でeラーニングを充実させよう
研修を実施する際、ゼロからシステム構築をするのが困難な場合も、LMSを導入すればコスト削減やスピーディーな導入が実現可能です。
LMS導入は、研修を実施する側にも、受ける側にも大きなメリットがあるので、総じて高い効果を期待することができます。
最初に配信する動画を用意する必要がありますが、LSMによっては既存のコンテンツを使用することも可能ですし、一度自社で研修動画を作成してしまえば、それを今後も継続して使用することができます。
トータルで考えると、研修を開催するたびに会場費や講師料といった費用、参加者のスケジュール管理などの手間を削減できるため、コストを抑えることにもつながるのです。
eラーニングを導入する際には、LMS導入も合わせて検討してみることをおすすめします。