リーダーシップを発揮する社員の具体的な行動8選
でも、正直なことを言います。
わたし、前の会社で、どうしても「相性が悪い部下」がいたのです!
当時わたしは新入社員でした。
でも大きくはない会社でしたし、わたしはアルバイト時代から働いていたので、
入社時から、部下をつけてもらうことになったのです。
部下、といってもアルバイトのスタッフではあるのですが、
毎日出勤してくれる方だったので、ほぼ社員のようなもの。
わたしの少し後に入社しましたが、仕事の飲みこみも早く、
どんどんとこなしていってくれました。
女性同士だし、うまくいきそう!と思っていたのですが、
どうも、少しずつ話がかみ合わなくなっていったのです。
「●●さん、これやっておいて、って言わなかった?」
とわたしが言えば、
『え、ここまでやっとけばいいんじゃないですか?聞いてないですよ』・・・。
逆に、
『大司さん、この前おっしゃってた件なんですけど、
やっと終わりました!がんばったので、見てください!』
と言われても、
「ありがとう。・・・でも、これもっと後回しでもいいよ、って言わなかったっけ・・・」
と、お互いに一生懸命仕事をしているのに、
なぜかすれ違いばかり・・・。
しまいには、どんどんとお互いに不満がたまってしまい、
ギクシャクし始めた上に、時には軽い言い合いをしてしまう始末でした。
最終的には、上司も一緒に何度も話し合い、ちょっとずつ関係が修復してきたのですが、
わたしの中ではずっと、
「彼女の“上司”には、なってあげられなかったな・・・」という
後悔がありました。
木曜日までに?
その後転職し、今の会社で働き始めた頃のこと。ある木曜日の朝、こんなことがあったのです。
『大司さん、木曜日までに、って言っていたA企画の資料もらえる?』
と上司に言われました。
「はい、今日ですよね。それなら今日午後会議の後に取り掛かるので、
18時までには提出します」
というと、上司が『え?』という顔。
実は私が「木曜日中に作ればいい」と思っていた資料は、
上司は「木曜日に使えるように」ということを依頼していたようなのです。
それで「木曜日までに」という言葉を使ったとのことでした。
その時、正直わたしは、
『え、それならもっとちゃんとそうやって言ってよ・・・』と思ってしまいました。
でも、その時上司はこう言ってくれたのです。
「今度から、一緒にTEARをしながら確認をするようにしような」
「TEAR」とは、わたしたちの会社で「指示受けの法則」と
よばれているものです。
以下の行動を表す単語それぞれの頭文字をとったもの。
●Take memo:メモを取る
→上司(相手)から指示された内容をメモすること
●Expect:期待水準を確認する
→上司(相手)がどの程度の仕事を期待しているのか確認する
●Ask:質問する
→自分が理解した内容で合っているか、上司(相手)に質問する
●Reverse:復唱する
→自分の理解を整理しながら復唱する
指示を受ける時点で、これら一つひとつを
指示を受けた側が確認するのです。
その時、ふと前の会社でのことを思い出しました。
当時のわたしは、自分が出した指示や依頼は
「しっぱなし」
で、一緒に確認する、ということをしていませんでした。
それで思っていることに“ズレ”ができてしまったことで、
部下であった彼女も、どんどんと確認しづらくなってしまったのでしょう。
だから、いつもお互い懸命に仕事をしているのに、「言った」「言わない」、
「聞いた」「聞いていない」というトラブルになってしまい、
さらに、それをわたしは
「彼女とは性格が合わないんだ」と片づけてしまっていたのです。
そこから、まずは自分自身がTEARをすることを
「当たり前」にできるように、
上司にも協力してもらいながら、何度も繰り返しました。
不思議なもので、そうすると、
上司に質問をしたり、わからないことを徹底的に聴く、ということも
次第にできるようになっていったのです。
相性の問題?
お互いの意図を理解できるかどうかは、相性の問題ではないのだな、と実感しました。
前の会社の彼女とも、普段は性格も似ていて、仲が良かっただけに、
このような仕事の仕方を知っていれば、
「相性が良かった」んだろうな、と本当に思います。
考え方、捉え方は人によって違うからこそ、
「確認するルール」をきちんと設ける。
・指示が上手く部下に使わらない
・上司の指示通りにやっても、なんだかうまくいかない
と感じることがある方は、
ぜひこの「TEAR」を実践してみてくださいね!